【佛さまのこと】

 

 この世界は、太陽の光をうけることによって、すべてのものは生きて行くことができます。動物も、草や木も、太陽の暖かい光にみな平等に照らされています。そのように、私たち人間の心は佛さまの清らかな光によって、みな平等に照らされ育てられ喜びをあたえられ、そして正しい生活をめぐまれています。寂しい時も悲しい時も、だれでも佛さまの教えを聞くことによって元気が出ます。佛さまは私の心の命の親です。私たちの最後のよりどころです。

 

       〔佛さまのすがたと心〕

 

1.佛さまとは、祖先や死んだ人のことですか。

 

  いいえ、祖先や死んだ人たちが、そのまま佛さまではありません。

 

2.ではなぜ、祖先を佛さまとして拝むのですか。

 

  それは、なくなった祖先の方が佛さまの徳をいただいて、佛さまと

  ひとしくなっているからです。

 

3.佛さまは、寺や仏壇の中におられる方ですか。

 

  そうです。木像や絵のすがたをされた佛さまです。

 

4.すると、佛さまは木像や絵にかかれたもので、人形のようなものです

 か。

 

  いいえ、木像や絵の佛は、私たち人間の目に見えない佛さまの心

  を、私たちにわからせようと、現われてくださった姿です。

 

5.目に見えない佛さまは、どこにおられるのですか。

 

  私たちが、山に行っても川に行っても、どこにいってもいつも一緒

  におられます。目に見える仏壇だけにおられるという、限りのある

  方ではありません。限りの無い方だから「アミダ」佛というので

  す。

 

6.ニョライさまとも、言うではありませんか。

 

  そうです。くわしくは、ナモアミダブツ、阿弥陀如来、南無不可思

  議光如来とも言います。短くして如来と言うのです。

 

7.どうしてそんなに、いろいろの言い方があるのですか。

 

  たとえば、ひとりの人間でも、〇〇さん、おかあさん、おふくろ、

  おくさん、などと違った呼び名があるようなものです。

 

8.佛さまとは、どんな方ですか。

 

  かぎりない智慧と、限りない慈悲をもたれた方です。

 

9.かぎりない智慧とは、どんなことですか。

 

  この世のすべてのことについて、本当の道理を全部知り尽くしてお

  られることです。

 

10.すると、私たちの心の中までも知っておられますか。

 

  そうです。私たち自身でも気づかない、深い心のかくれたところま

  で、佛さまはすっかり知っておられます。

 

11.かぎりない慈悲とは、どんなことですか。

 

  すべてのものを、助けずにはおられないという、おかあさんの心の

  ような、情け深い願いを持っておられることです。

 

12.では、犬や猫も、助けたいと思っておられますか。

 

  そうです。鳥やけだもの、草木にいたるまで、すべてのもののこと

  を思っておられます。

 

13.佛さまは、私たちのことを、どう思っておられますか。

 

  間違ったことをして苦しみ悲しんでいる私たちを見られて「かわい

  そうでたまらぬ、早く正しい道を教えて、誤りを直して幸福にして

  やりたい」と、自分の子供のように思い、いつもはなれずはげまし

  てくださいます。

 

       〔佛さまの拝み方〕

 

14.佛さまは、どのように拝むのですか。

 

  インドの人たちのように、両手を合わせて、口に佛さまのみ名を称

  えて拝みます。

 

15.佛さまは、拝むと病気を治してもらえますか。

 

  はい。病気を治してもらえます。でも、それは身体の病気ではなく

  て心の病気です。

 

16.心の病気とは、どんなことですか。

 

  欲張り、怒り、おろかなことの三つの病気などです。

 

17.では、どんな気持ちで、佛さまを拝むのですか。

 

  私は、佛さまを敬います。みんなと一緒にまことの道を進んで、よ

  い心を起したいと思います。

  私は、佛さまの教えを敬います。みんなと一緒に一心に教えを聞い

  て、智慧の暮らしをしたいと思います。

  私は、佛さまの教えを信じる人たちを敬います。みんなと一緒にす

  べての人たちと仲良く、平和な暮らしをしたいと思います。

  という気持ちで拝みます。